|
ACM JAPAN CENTER NEWS LETTER VOL.32
August 21th, 2017 |
|
|
ACM日本支部よりお知らせ:
今年度のギルド試験の日程は現在本部に問い合わせ中です。
今しばらくお待ちください
ACM本部よりお知らせ:
本日もよろしくお願い致します。 |
|
|
前々回よりハワイ大出身で、現在カリフォルニアで演奏活動を行なっている盲目のピアニスト『クリス・サルナ』をご紹介させていただいています。
-----------------
ハワイ大学のピアノ演奏家をBacholor of Music in Piano Performanceという学位で卒業するには大学3年生の時にJunior Recitalという30分のソロリサイタルを行い、4年生でSenior Recitalという演奏時間45分程のソロリサイタルを行います。
(学校によっては、ソロリサイタルの他にアンサンブルのリサイタルや、24時間で曲を完成させる試験など、色々と規定は異なりますがソロリサイタルの演奏は総合大学ではどこでも必修課目だと思います。)
クリスの3年生の時の30分のソロリサイタルは、バッハのthe well-tempered clavier Book, C-Charp major BWV 848の Prelude と Fugueからはじまり、モーツアルトのソナタK.330全楽章の演奏、ロマン派と現代の作品は忘れてしまいました・・・
そして一年後の4年生のリサイタルではモーツアルトの12 variations on ``Ah, vous dirai-je maman``K.265 / 300eから始まり、ベートーヴェンのpiano sonata No.23 in F minor, Op.57, the Appassionata。その後に休憩を挟んで、第二部では現代曲として自分で作曲したジャズを披露し、最後にメンデルスゾーンのピアノ協奏曲。
目が見えないという事は、私たちのようにピアノの上に楽譜を置いて音を拾う事はできません。クリスは新しい曲を学ぶ際、ピアノの先生がテープレコーダーに演奏パートを録音して渡していました。この学び方は大学に入っても続いていました。
ある日友人が練習室でテープレコーダーに向かってボソボソ呟き、ゆっくりとピアノを演奏していました。
「measure 1 to 4, right hand」(1−4小節目の右手)
⇩
ピアノ演奏
⇩
「measure 1 to 4, left hand」(1−4小節目の左手演奏)
⇩
ピアノ演奏
⇩
「measure 1 to 4, both hand」(1−4小節目の両手演奏)
⇩
ピアノ演奏。
このように小節と、右手か左手かを説明し、その後に楽譜通りに演奏。されたテープを受け取り、クリスは練習室や送迎の車の中で数回巻き戻しながら音をとり、ピアノで確認し、暗譜する。というプロセスを音取りの時は繰り返していました。
大学時代は教授に時間がある時は教授がこのテープをつくってもらい、教授がリサイタルやクラス指導で忙しい時期は同じ門下の上級生などに頼み、大学側から「アルバイト」としてお金が払われる仕組みにしていました。
「小さい頃からこの方法?」とクリス本人に尋ねたことがあります。
「そう。実は点字の楽譜もあるんだよ。でも、点字の楽譜触って、ピアノ弾いて、楽譜に指を戻すとイマイチ何処まで譜読みしたのかわからなくてね・・・短い曲はいいんだけど、長い曲は最悪。テープを誰かに作ってもらわなくちゃいけないのは、大変なんだけどね。」
大学進学前からハワイで開催されるMTNAのコンクールや演奏会の常連さんだったクリス。大学に進学前の先生とはハワイに移住して以来の仲で、この先生が小学生だったクリスと真っ直ぐ向き合っていなければ今はなかったかもしれません。
クリスがハワイでピアノ演奏で成功して行くたびに、彼の目の手術を担当した医師は「クリスの先生」と一目置かれるようになり、この目の先生同様にクリスのピアノの先生は「クリスの先生」という呼び名で巷で知名度を上げて行きます。
ーーーーーーー
クリスの音楽での成功を長期にわたり見守ってきたので、以前にもふれた細川元総理の奥様佳代子さんの「(ハンディーキャップを持った)彼らが幸せになるか、不幸になるかは、どれだけ理解のある家族のもとに生まれるか。どれだけ理解のある国に生まれるかによって人生の行き先が決まってしまう。少しでも優しい手を差し伸べていけば、幸せな人生を送ることができる」という言葉には思うことがたくさんありました。
本日もお読みくださいましてありがとうございました ^^
クリス・サルナ公式ホームページ
http://www.chriscernamusic.com/about
|
|
|
|
< Reviews Reviews Reviews > |
|
|
Title:
Lang Lang Academy: Faber Edition (Mastering the Piano Level 4)
出版社:
Faber Music
サンプル: こちら
-------------------------------
前回こちらの教則本のレベル1を紹介しました。レベル4の選曲が興味深かったので今回はご紹介します。
レベル4の難易度はというと、Clementi Sonata Op.36 No.3やJ.S Bach のinvention in F がunit別にセクション分けされたなかで紹介されています。選曲の内容はBartok, Chinese song, Schumann, Korean, Gliere, Dunhill, Brahms, Burgmuller, Benda, Tchaikovsky, Czerny, Kabalevsky, Gershwin, Grieg, CPE Bach, Le Couppey, J.S Bachとバラエティー豊かで、実際に演奏してみるとコンサートのアンコールなどで演奏されそうな綺麗な曲が多かったです。
レベル4のユニットの分かれ方は、unit 1: Posture, movement and hand shape, unit 2: Legato peddaling, unit 3: New accomaniment styles, unit: 4 more chords, unit 5: more on rhythm, unit 6 musical context, unit 7: Phrasing and rubato, unit 8: Dexterity
曲に対するコメントや楽曲へのアプローチの方法のアドバイスは生徒だけでなくても、先生にもヒントとなるものもあるかもしれません。 |
|
|
|
|
|
|
< Reviews Reviews Reviews > |
|
|
Title:
Bruno Mars; doo-wops & hooligans
出版社:
Hal Leonard
サンプル: こちら
----------------------------------
Bruno Marsの楽譜をアマゾンで見つけたので中古で買って見ました。
日本の中古本を取り扱っている業者であれば絶対に販売をしないほど、中古本の楽譜の中は音符の上にCDEの仮名がアルファベットで書かれています。
日頃教えている立場から、間違えた書き込みを見ると「あー惜しい!」、音符の横に書き込みが多いと「この音符が読めないのに、リズムは一体大丈夫だったのだろうか?」、「あーこの曲弾きたかったんだ、いいよね!」なんて余計な事を思ってしまいました。
初心者でBruno Marsが大好きな中高生や大人が演奏するのであれば良いアレンジメントだと思います。
ソナチネが弾けるレベルの生徒には「もう少しアレンジが難しい方が弾きごたえと、聞き応えがあるかな?」と思う内容です。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
< ギルドへ向けて ~ the Yamada School of Music in Tokyo ~ > |
|
|
8月18日(金曜日)に4週間のアメリカン・スクールで行われたSummer Day Campは無事に終了しました。毎年子供達はセミの鳴き声を聞きながら毎日運動会のような競技に参加します。キャンプが終わる頃には真っ黒になり「see you next year!」と元気に両手を振りながら帰宅していくのですが今年は雨が続いたこともあり比較的白い・・・
私にとってこのSummer Day Campは、日頃ピアノを教えている時には気がつかない事を教えてくれる貴重な4週間です。
さて今週から殆どの生徒が夏休みから帰ってきます。
9月1日から全員バック。
アメリカからクリスマスの楽譜が届く予定です。
9月がスタートするとあっという間に12月の発表会。
ギルドに向けてバランスの良い選曲を行うタイミングです。
年末こそは5年ぶりに、12年間過ごしたアメリカに遊びに行きたいな・・・と去年の年末から思っていますが、3歳児を連れての海外は身軽でないぶん、考えるだけでクラクラしてしまいます。
ニューヨークに行きたいなー、でも息子とオーケストラとかブロードウェイはまだ一緒に見れないし。15年ぶりにワシントンD.Cに行ってホワイトハウスのクリスマスツリーを見に行きたいけど、トンランプになってからのホワイトハウス周辺の治安がわからないし、スミソニアン博物館はまだ息子には早い・・・中学、高校と過ごしたヴァージニアに連れて行ってもいいけど、それだったら現地校に通わせてアメリカの四季を体験させてあげたい・・・
こんな事を考えているとすぐに脳がクッタクタになってしまいます。
(気がつきました?私観光嫌いなんです・・・行くなら長期滞在をして、現地の暮らしを体験したい派。両親と生活していた頃は転勤族だったので、生活の拠点が変わり、知り合いを一から作る事に対して抵抗がない事に『最近』気がつきました。今は大切なピアノの生徒がいるので、アメリカの長期滞在は考えてはいませんが・・・)
結局「寒い!」って言いながら都内のスタバで本を読んで終わりそうな今年。
みなさんは如何ですか?^^ |
|
|
以下のサイトではACM米国公認指導者をご紹介頂いています。 |
|
|
|
|