< 第2回:ACMはピアノの先生の団体ってどいう意味? >
さて、今回も前回に引き続き、
ACMを説明する上で重要としている3つのポイントと共に進めます。
本日は2つ目の...
1)non-profitの団体だということ
2)ピアノ教師の団体だということ
3)本部はアメリカにあるということ
ACMはピアノの教師の団体だという意味を
少しでもクリアにお伝えできればいいのですが...
どうぞお付き合いください。
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現在アメリカではピアノの検定試験や、コンクールが数多く開催されています。
アメリカが主催しているものを一部をあげてみますね。
☆ American Pianists Associations : http://www.americanpianists.org
☆ American College of Musicians ←これが私達です : http://pianoguild.com
☆ Music Teachers National Associaation (通称MTNA): http://www.mtna.org
☆ the Piano Teachers Society of America : http://www.ptsa-online.com/Welcome.html
☆ the National Federation of Music Clubs : http://www.nfmc-music.org
☆ New York State School Music Association : https://www.nyssma.org
まだまだまだまだ、
書ききれないほど色々な団体が存在し、その活動目的は様々です。
この度URLをリンクした理由は...
ACMの本部のURLが一番びっくりするほど古くて......えっと......ということを......
お伝えしようとしているわけではありません (^^)
以下の3つをお伝えできればと思いました。
1) ACMは「音楽教師」の団体ではなく、「ピアノ教師の団体」ということ。
2) ACMはピアノ検定試験を主催しているがACM が推進する「独自のピアノ教育方」は存在しないこと。
3) 2016年9月現在、ACMが日本支部をつくることでアメリカと同じピアノの教育環境を唯一、東京で整えているということです。
さて、ACM日本の公式ホームページ内 【米国公認指導者】 をご覧いただくと、帰国の先生が多く「英語のピアノ教育」や「アメリカのピアノ教育方」を行っている団体かな?という印象をお受けになるかと思います... (米本部が公認する日本の指導者はこちらよりご覧いただけます→ こちら )
日本の教育熱心な保護者の方へ前もってお伝えしておく事があります。
ACM:「英語でピアノ教育を行う団体ではありません」
ギルド試験:「ギルド試験と繋がる独自のピアノ教育方は存在致しません」
そして
「アメリカから来た、新しいピアノメソードでもありません」
ACM米国本部が日本に支部を置いたのは以下の思いからです:
1) 日本在住の海外の方へアメリカと同じようなピアノ教育の環境を設けることで、日本語という壁でピアノを諦めざる終えなかった子を減らすことができるのではないか。
2) 日本で生活している子供達でいずれ海外の学校に行く際、何かお手伝いができるかもしれない。
3) アメリカや海外から帰国した先生とその生徒さん達に、選択の幅を増やす事ができるかもしれない。
4) アメリカではどういうふうにピアノ演奏を評価するか、日本の先生と子供達に紹介したい。
少々堅苦しい説明になってしまいましたが、
理念が一人歩きしすぎる前に、
早いタイミングでしっかりとお伝えしておくべき内容だと思い、
今回触れさせて頂きました。
さて、ここからは本題の
ACMは「ピアノの教師の団体」という意味をご説明していきたいと思います。
さぁ皆さん、頭の中でアメリカのオフィスを想像してください(^^)
11万人の参加者に携わる、
ACMの事務スタッフは何人いると思いますか?
スタートです!
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ACMテキサス州にある本部は、
850か所以上で開催されるギルド試験を実行する為、
1年中バタバタと活動しています。
オフィスで働くメンバーは主に9名。
11万人の参加者の試験の準備をし、
850か所に派遣する審査員の手配を行っています。
カリオグラファーってご存知ですか?
米本部には専属のカリオグラファーが(確か4名)います。
カリオグラファーは花文字書体を書くプロです。
ギルド試験の修了書には参加者の名前が、
素敵な花文字で記載されます。
日本でいうと、
結婚式の招待状の名前を素敵に書いてくれる人です。
......今時手書き......?
とアメリカの現地の人でもびっくりする程アナログなギルド試験ですが...
......伝統を保っているということで......ここは一つお願いします。
副会長のジュリアは、
来日するとオフィスで働く仲間にお土産を探しに行きます。
食べ物ではなく、文房具でもなく、
T-シャツでもない、日本の素敵な物を探しに行きます。
そして探しながらオフィスの様子を話してくれます。
気になりますか?(^^)
オフィスの人がギルド試験の成功を願う為の貢献度と活動力は想像以上です。
ジュリアの話から頻繁に"○○is working for free"という言葉が出てきます。
(○○はボランティアで働いてくれているという意味です)
アメリカで88年続く歴史あるピアノ検定試験を運営するACMの "Non-Profit" (非営利)の現実です...
さて、団体の核となるメインオフィスで働く人が...
奉仕で働いている事実があるとなると...
ACMの関係者は果たして、
どのようにして生活しているでしょう。。。
ここからが本当の「ピアノの教師の団体」という意味です。
副会長:ジュリア・クルーガー教授(2017年3月2週目に来日予定です)
朝9時からACMの本部へ行きギルド試験関係の仕事を行なっています。生徒が学校から帰ってくる時間に帰宅し、夜10時までピアノの個人指導を行います。1週間に教える数、48名。
彼女のお教室では生徒は年に4回コンクールに出場し、年度末にギルドを受験するそうです。コンクールに4回出場できない生徒又はギルド試験に参加しないと判断した生徒はお教室から退会だそうです。私がアメリカらしいと思うとろこはここからです...ジュリアのお教室は常に生徒のウエイティングリストがあり、現在彼女のレッスンを待っている人数は30名。お教室のウェブサイトはありません。電話帳にもお教室は載せていません。すべては口コミで集まってくるそうです。
ここでお伝えしたかった事は、ジュリアは現役のピアノ教師の傍ら、ACMの副会長を務めており、昨今では中国、台湾、インドネシア、日本のACM支部の立ち上げに携わっています。子供達に学ぶ意欲があれば、何時間でもレッスンを行い、困っているピアノの先生を見つけると必ずhow can we help you to improve your studio?と声をかけACMの指導者の代表として相談に乗る、とても愛情深いピアノ教師です。
エリアチェア:
10月中にACM米国公認指導者の方には会報誌Piano Guild Noteがお手元に届くと思います。是非、今年度ギルド試験が行われるエリアをご覧ください。(2016年度のアメリカ国内のエリアはこちら→クリック )各エリアにはエリア・チェアと呼ばれる地区の代表が存在し、ギルド試験のスケジュールが確定すると、活動が活発化します。内容は審査員の送迎、お食事の手配、ギルド試験のエリアでのスケジュールを管理し、その他色々...
その地区でギルド試験が成功するためのマネージャーのような役目をしています。
ACM米国公認指導者:
ACMで「一番大切」かつ「重要」な存在です。
ダイレクトに子供達や大人の生徒さんと日々携わっているので
教育上、生徒にとって、とても大きな影響力のある存在です。
ピアノの先生というのは不思議なもので、
万国を共通して、子供達の思い出に残りやすい存在ではないでしょうか?
「優しかった」「厳しかった」「練習やだけど、先生好き」
どうして子供達の思い出に残りやすくなるのか....
その理由は今この文章をお読みになっているみなさんが一番ご存知の事と思います。
東京の素敵だと思う事の1つ。
それは大人になって子供の頃に学んだお稽古事を、
趣味として続ける環境が色々と整えられています。
今後ギルド試験に参加する子供達が、大人になった時
「あれ?こんなところから賞状が出てきた」
とギルドの修了書を開くと、
自分のピアノの事がびっしりと書いてある。
へ〜こんな事やってたんだ。
ふーん。
いーね、これ。
↓
「弾けないと思うけど...またちょっと弾いてみようかな〜」
と言い、ピアノに繋がってくれると嬉しいです(^^)
フラフラした内容になってしまったので纏めます。
1つの地区でギルド試験が開催される際、
本部のピアノの先生が
↓
エリアチェアに伝え
↓
個人のピアノの先生に試験の詳細が渡り
↓
検定試験の参加者は
↓
ACM米国認定審査員として厳しくトレーニングを受けたピアノ指導者や
大学で指導するピアノ教授達によって評価されます。
ACMは「ピアノ教師の団体」という意味はこのように、
ギルド試験の開催は「ピアノの教師が一丸となって初めて実現する」という事をお伝えできればと思いながら書いてみました。
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第3回は3つ目のトピック
「本部がアメリカにある」という事から
アメリカの”違いを理解する人達”そして
"生徒の異なるバックグラウンドについて”掘り下げていきたく思います。
本日もお読み下さいましてありがとうございました。