< 第6回:会報誌
『Piano Guild Note』について >
ACMは『Piano Guild Note』
(ピアノ・ギルド・ノート)という会報誌を発行しています。発行の時期はSummer
(7月)、Fall
(10月)、Winter
(1月)、Spring
(4月)の年に4回で、各回約8万人の登録指導者へ配布されています。
ピアノ・ギルド・ノート
(以下ギルド・ノート)では、教育法、演奏法、作曲についてや、パフォーマーの怪我や疾患、電子ピアノ、ピアノ教室の経営などのエッセーが各回に1つ紹介されています。2016年の春号では全米
(一部チェコ、オーストラリア、カナダ、イタリア)で開催予定の子供達のための『ピアノキャンプ
』に関する情報が15ページに渡り紹介されていました。
各回の号に共通する内容は新譜の情報、各地域の検定試験の日程についての最新情報、各賞の受賞者の氏名などです。
そろそろ新しい2016年のFall Issue
(秋号)が届く頃ですので、今回は最新号の内容をご紹介をできるかな?と思っていましたが、まだ日本に届いていませんので本日は2016年1月に届いた『Winter 2016 VOL.65, NO.3』を用いてギルド・ノートの内容をご紹介いたします。
2016年冬号のオープニングは、"Transposition: 転調について"のミニレクチャーから始まっていました。
先生方是非お試しください(^^)
長調と短調のChord Progression
(コード進行)を覚えていますか?
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(ハ) 長調の例 >
<
(イ) 短調の例 >
それでは以下の問題を解いてみましょう!
Major Keysというのは長調です。
Minor Keysというのは短調です。
解けましたか?(^^)
そして次は「『聖しこの夜』を他の調
(どの調整でも可)に転調してみましょう。」というものです。
ギルド・ノートの一部を日本語に訳してみます:
「転調の方法をレッスンで教える際、
上記の1小節目と2小節目に書かれた和音の進行はIV-Iなので、
生徒さんに長調のコード進行を教えた後、
IV-Iの関係性を説明すると良いでしょう。
転調先のコード進行を確認した上で転調したメロディーにIV-Iの伴奏につけます。
ここで忘れてはいけないことは、1小節目のIVの和音は第二転回になっています。
必ず転調したIVの和音も第二転回にするよう指導ましょう。」
という内容が記され、
A flat Majorに転調した際の答えが以下のものです。
いかがでしたか?(^^)
ギルド試験
(主にソロ部門での参加を対象)では『MP技術演奏』というのがあり、IMMT演奏の基礎演奏とは別にACMが定めた級別の『初見』『転調』『聴音』『音階』『アルペジオ』の内容を、試験当日に演奏する事で、技術演奏を1つの楽曲として認められます。
例えば『転調』を選んだ場合、指導者と参加者は試験当日までにオリジナルの楽曲と同じ内容で楽曲を転調し、練習をしていきます。その際に今回ご紹介したコード進行や例題などが指導者の方に、とって大学時代の復習となるように載せられています。
(MP技術演奏の詳細は後日、別の回でご説明いたします)
ギルド・ノートの中に
『NEWNEWNEW』というコーナーがあります。
ここでは副会長ジュリア・クルーガーが100冊ほどの新譜を出版社別にリストアップし、レベルのカテゴリーに分けて紹介しています。楽譜や教則本以外に、アメリカのNAXOSより販売される予定の新しいCDの紹介も含まれています。
そしてこのクルーガーがリストアップした新譜の内容を参考にACMに所属する"Review Writer
(評論家)"が実際に新譜の評価をしている
『REVIEWS REVIEWS REVIEWS』 というコーナーがあります。このコーナーのReview Writer
(評論家)は日頃からピアノを指導している立場の方なので、実際に紹介されている本の内容と楽譜を照らし合わせてみると、とても役に立つ情報となっています。
ギルド・ノートの最新号に関しては本部に問い合わせ済みで、
11月の最初の週には日本に届く事になっています。
お手元に届くのを今しばらくお待ちください。
以上、今回は会報誌『ピアノ・ギルド・ノート』について触れてみました。
本日もお読みくださりありがとうございます。