数日前テレビを見ていたら細川元総理大臣のご婦人、細川佳代子さんのインタビューがオンエアーされていました。細川佳代子さんは現在、知的発達障害のある人の「自立や社会参加を目的とした」スペシャルオリンピックス日本という団体の名誉会長をされているとのことで次のように述べていました。
「(ハンディーキャップを持った)彼らが幸せになるか、不幸になるかは、どれだけ理解のある家族のもとに生まれるか。どれだけ理解のある国に生まれるかによって人生の行き先が決まってしまう。少しでも優しい手を差し伸べていけば、幸せな人生を送ることができる」
さてこのタイミングでいつか書きたいなと思っていた、友人クリス・サルナ(Chris Cerna)について書いてみたいと思います。少し深く読んでいただければ、ピアニストとしての彼だけでなく、あまり知られていない「アメリカ」の一部もお伝えでききるかと思います。
まずはこちらをご覧ください。
youtubeの動画に飛びます → 【 こちら 】
ピアニスト、クリス・サルナ(Chris Cerna)はハワイ大学出身で現在カリフォルニアを中心に演奏活動行っています。
動画の演奏の様子からお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、クリス目が見えません。
性格はとても明るく、友達の車に乗って移動する際、
初めて乗る車のドアをスムーズに「ガチャ」っと開け周囲は
「クリス!本当は目見えてるでしょ!」とツッコミ ^^
一緒にコーヒーを買いにキャンパス内のスタバまで歩いていると、遠くから向かってくる車の音をキャッチして「左から車が来たよー、気をつけて!」とみんなに伝え周囲は
「本当は目見えてるでしょ!何色の車か言ってみて!」と茶化したり ^^
お付き合いする歴代の彼女は皆んな美人!
クリスのお母さんも「クリス!本当はあなた、目が見えてるでしょ!あなたのガールフレンドになる子は、皆んな可愛い!^^」と大きな笑みを浮かべて嬉しそうに言っていました。彼は日本でいうとメディアに出演している時の乙武さんのような雰囲気を持っています。ハワイ大の音楽学部は小規模なので同じ時期に大学に通っていたクラスメートは沢山クリスから学び、刺激されました。
--------
さて話は少しだけ逸れます。
アメリカから帰国された先生の多くは日本で「どうしてヨーロッパじゃなくてアメリカで勉強をしようと思ったんですか??」と聞かれる事もあるかと思います。
海外に行く理由には留学、結婚、親の転勤、仕事の関係など様々なきっかけがあり、私のように自分の意思とは関係なく親の仕事でアメリカに引っ越しをし、そのまま中学→高校→大学→大学院と現地の教育に溶け込む人も大勢います。大人になってから海外に住んだ理由を聞かれて「親の転勤」の一言で説明できるのは色々説明しなくても良いので、便利だと思うことも出てきました・・・(マサキ先生もミナ先生もその一人です。)
----------
そして話クリスに戻ります。
フィリピンで生まれたクリスがアメリカの地を踏むことになったきっかけは「ハワイで行う目の手術」でした。
1981年にフィリピンのセブ島で一卵性双生児の兄弟と共に生まれます。クリスは1歳半の頃視力を失い、5歳の頃双子の兄弟は癌で亡くなったそうです。
1991年。クリスは「Aloha Medical Mission」というハワイにある医療ボランティア団体が「本物の見た目に近いのガラスの眼球(?)をクリスの目に入れる手術を行う」という目的を通じて、クリスとお母さんはハワイに渡米しました。
クリスのアメリカへの入国のきっかけは「医療」でしたが、この後、ハワイでの生活を通じて縁があり繋がった出会いや、お母さんを始めハワイに住むピアノ指導者のサポートと愛情をたっぷり注がれ、現在ピアニストとして活躍するクリスが存在すると言っても多言ではないと思います。
次回もクリスの続きを。
「大学の勉強」や「課題曲」にどうやって取り組んでいたのかをご紹介できればと思います。
(彼との長年の信頼関係より今回は特別このようにメールマガジンにて書かせてもらっています。)
本日もお読みくださいましてありがとうございました ^^